8度目の人生、嫌われていたはずの王太子殿下の溺愛ルートにはまりました~お飾り側妃なのでどうぞお構いなく~2
「……俺は、側室を迎えるつもりはありませんからね」
「お前、今頃気づいたのか」
「いつから謀っていたのですか」
「そんなもの、公爵家への使者をお前に任命したときからに決まっている」
さらりと言う国王に、オスニエルは不快感を隠さなかった。
「あきれましたよ、父上。どうしてあなたはいつも俺の言うことを聞いてくださらないのですか」
「なにを言う。私の言うことを聞かないのはお前の方だろう。私とお前は、ずっと同じ方向を向いて進んでいたはずなのに、あの娘が現れてからおかしくなったのだ」
「それは、フィオナのことですか?」
絞り出すように声を出したオスニエルの手は怒りに震えていた。
国王は眉を寄せながら続ける。
「オスニエル。あの娘を正妃にしたことはまあいい。ただ、分かるだろう? 世継ぎとなるべきは帝国の血を継ぐものだ。今からでも遅くはない。側妃を迎えて、血を受け継ぐ息子を産んでもらうのだ」
「世継ぎならオリバーがいるでしょう。フィオナは正妃としての役目はすべて果たしていますよ」
「あの子の髪は、生粋の王国のものとは言えない。そうだろう?」
オリバーの髪は黒色だが、天然で銀色のメッシュが入っている珍しいものだ。
「オズボーン王国とブライト王国の血を引く息子に、劣るべきところなどなにもありません! 父上とは話にならない。失礼します!」
オスニエルは怒りに任せ、報告もそこそこに執務室を飛び出した。
「お前、今頃気づいたのか」
「いつから謀っていたのですか」
「そんなもの、公爵家への使者をお前に任命したときからに決まっている」
さらりと言う国王に、オスニエルは不快感を隠さなかった。
「あきれましたよ、父上。どうしてあなたはいつも俺の言うことを聞いてくださらないのですか」
「なにを言う。私の言うことを聞かないのはお前の方だろう。私とお前は、ずっと同じ方向を向いて進んでいたはずなのに、あの娘が現れてからおかしくなったのだ」
「それは、フィオナのことですか?」
絞り出すように声を出したオスニエルの手は怒りに震えていた。
国王は眉を寄せながら続ける。
「オスニエル。あの娘を正妃にしたことはまあいい。ただ、分かるだろう? 世継ぎとなるべきは帝国の血を継ぐものだ。今からでも遅くはない。側妃を迎えて、血を受け継ぐ息子を産んでもらうのだ」
「世継ぎならオリバーがいるでしょう。フィオナは正妃としての役目はすべて果たしていますよ」
「あの子の髪は、生粋の王国のものとは言えない。そうだろう?」
オリバーの髪は黒色だが、天然で銀色のメッシュが入っている珍しいものだ。
「オズボーン王国とブライト王国の血を引く息子に、劣るべきところなどなにもありません! 父上とは話にならない。失礼します!」
オスニエルは怒りに任せ、報告もそこそこに執務室を飛び出した。