8度目の人生、嫌われていたはずの王太子殿下の溺愛ルートにはまりました~お飾り側妃なのでどうぞお構いなく~2
* * *
しかし、フィオナの決意は少し遅かったとも言える。
ある日、フィオナは国王に呼び出され、「ジャネットを歓迎する夜会を開くので、主催のひとりとして参加するように」と言われた。
ジャネットを歓迎する自体は問題ない。が、主催することにより、フィオナがジャネットを歓迎しているという構図を知らしめることになる。
加えて、国王主催とはいえ、その手の夜会を取り仕切るのは女性の役目だ。その準備には相当忙しくなる。メインは王妃であるイザベラが務めるとして、サブとして動き回るのはフィオナの役目だ。
そしてそうやって王族が歓迎の意を示すことで、ジャネットの王城での立場は確固としたものになる。
(でもやるしかないわ)
その日から、フィオナは日中イザベラと共に夜会の料理や音楽についての相談をするようになった。
ごねたのがアイラだ。
「おしろ、こあい。いかない」
先日からそんなことを言い出したのだ。オリバーだけを連れて行くのも不公平感があるので、ふたりは侍女に託していくこととなる。
「オリバーとアイラも連れてきていいのよ」
孫に会いたいイザベラはそう言うが、この場でアイラに大泣きされるのも大変だ。
会場、飾る花、音楽、食事に関して、大体の方向性を決め、使用人たちに指示を出す。
「あの、お義母様」
フィオナはおずおずと切り出す。
「お義母様も、ジャネット様がオスニエル様のお相手として、ふさわしいと思っておられますか?」
「誰かに言われたの?」
「噂になっているそうです。侍女や、アリンガム侯爵夫人から聞きました」
その根拠となっているのが、陛下の後押しだということも聞こえてきている。
「そうね。昔、ふたりに縁談があった話は聞いているわね?」
「はい」
「家柄からいえば、ジャネットは文句なしよ。財力もあるし、ロイヤルベリー家はぜひ味方につけたい家門ではあるわ。それに、最初に断ったのはオスニエルの方だから、ジャネットがそれを許して嫁いでもいいと言うならば、反対はできないわね」
「そう……ですか」
しかし、フィオナの決意は少し遅かったとも言える。
ある日、フィオナは国王に呼び出され、「ジャネットを歓迎する夜会を開くので、主催のひとりとして参加するように」と言われた。
ジャネットを歓迎する自体は問題ない。が、主催することにより、フィオナがジャネットを歓迎しているという構図を知らしめることになる。
加えて、国王主催とはいえ、その手の夜会を取り仕切るのは女性の役目だ。その準備には相当忙しくなる。メインは王妃であるイザベラが務めるとして、サブとして動き回るのはフィオナの役目だ。
そしてそうやって王族が歓迎の意を示すことで、ジャネットの王城での立場は確固としたものになる。
(でもやるしかないわ)
その日から、フィオナは日中イザベラと共に夜会の料理や音楽についての相談をするようになった。
ごねたのがアイラだ。
「おしろ、こあい。いかない」
先日からそんなことを言い出したのだ。オリバーだけを連れて行くのも不公平感があるので、ふたりは侍女に託していくこととなる。
「オリバーとアイラも連れてきていいのよ」
孫に会いたいイザベラはそう言うが、この場でアイラに大泣きされるのも大変だ。
会場、飾る花、音楽、食事に関して、大体の方向性を決め、使用人たちに指示を出す。
「あの、お義母様」
フィオナはおずおずと切り出す。
「お義母様も、ジャネット様がオスニエル様のお相手として、ふさわしいと思っておられますか?」
「誰かに言われたの?」
「噂になっているそうです。侍女や、アリンガム侯爵夫人から聞きました」
その根拠となっているのが、陛下の後押しだということも聞こえてきている。
「そうね。昔、ふたりに縁談があった話は聞いているわね?」
「はい」
「家柄からいえば、ジャネットは文句なしよ。財力もあるし、ロイヤルベリー家はぜひ味方につけたい家門ではあるわ。それに、最初に断ったのはオスニエルの方だから、ジャネットがそれを許して嫁いでもいいと言うならば、反対はできないわね」
「そう……ですか」