8度目の人生、嫌われていたはずの王太子殿下の溺愛ルートにはまりました~お飾り側妃なのでどうぞお構いなく~2
久しぶりの湖である。ここも時間が止まっていて、奥にある森の枝が、風に吹かれたような姿で止まっている。
「リーフェ!」
フィオナが大きな声で叫ぶと、奥からやってくる白い狼が見えた。
『あー! ドルフにフィオナ、どうしたのぉ』
「聞きたいことがあってきたのよ」
『そっか。来てくれてよかった。お城、変な聖獣の気配があるから入れなくって』
「変な聖獣?」
『うん。ドルフよりは弱そうだったけど、鳥だから守護範囲が広くて。よくわからないから入れなくって帰ってきちゃった』
フィオナとドルフは顔を見合わせた。
「鳥ってことは」
『ホワイティだろうな』
ということは、エリオットが来てからずっと、リーフェは帰るに帰れずここに居たということか。
「ごめんなさい。もっと早く迎えに来てあげればよかった。あの聖獣は私の弟のなの。薬づくりが得意な白フクロウなのよ。怖くないわ。紹介するわね」
『なんだ。フィオナの知ってる子なのか。心配して損した』
ホッとしたように笑うリーフェをいたわるように、フィオナは彼女の鼻先を撫でてあげた。リーフェは気持ちよさそうに目を細める。
『で、聞きたいことってなに?』
「あなたの力のことよ、リーフェ」
『私の?』
「ええ。あなた自身が持つ力はなに? 私はね。あなたの加護を得た子供たちが、なんの力を得たのか知りたいの。先日、アイラは人ではないものを見ていたわ。そしてオリバーは、彼女の見えるものを、手をつなぐことで私にも見せてくれた。これってどういうこと? あの子たちには一体、どんな力が宿っているの?」
リーフェはきょとんとしている。
「力って?」
「お前の力はかなり強いはずだぞ? だが、……そういえば、具体的に力を使っているところは見たことがないが」
「ドルフだったら、時を操ったり、氷の力を操ったりするじゃない? そういうものよ」
「……えええ? 風は起こせるよ。そのくらいかなぁ」
「他にもあるだろう。例えばお前はホワイティのことをすぐに察知したが、あいつは気配を消すのがうまいやつだ。どうしてわかった」
「見えるもん。……え? 見えないの? みんな」
フィオナはドルフを見る。
「リーフェ!」
フィオナが大きな声で叫ぶと、奥からやってくる白い狼が見えた。
『あー! ドルフにフィオナ、どうしたのぉ』
「聞きたいことがあってきたのよ」
『そっか。来てくれてよかった。お城、変な聖獣の気配があるから入れなくって』
「変な聖獣?」
『うん。ドルフよりは弱そうだったけど、鳥だから守護範囲が広くて。よくわからないから入れなくって帰ってきちゃった』
フィオナとドルフは顔を見合わせた。
「鳥ってことは」
『ホワイティだろうな』
ということは、エリオットが来てからずっと、リーフェは帰るに帰れずここに居たということか。
「ごめんなさい。もっと早く迎えに来てあげればよかった。あの聖獣は私の弟のなの。薬づくりが得意な白フクロウなのよ。怖くないわ。紹介するわね」
『なんだ。フィオナの知ってる子なのか。心配して損した』
ホッとしたように笑うリーフェをいたわるように、フィオナは彼女の鼻先を撫でてあげた。リーフェは気持ちよさそうに目を細める。
『で、聞きたいことってなに?』
「あなたの力のことよ、リーフェ」
『私の?』
「ええ。あなた自身が持つ力はなに? 私はね。あなたの加護を得た子供たちが、なんの力を得たのか知りたいの。先日、アイラは人ではないものを見ていたわ。そしてオリバーは、彼女の見えるものを、手をつなぐことで私にも見せてくれた。これってどういうこと? あの子たちには一体、どんな力が宿っているの?」
リーフェはきょとんとしている。
「力って?」
「お前の力はかなり強いはずだぞ? だが、……そういえば、具体的に力を使っているところは見たことがないが」
「ドルフだったら、時を操ったり、氷の力を操ったりするじゃない? そういうものよ」
「……えええ? 風は起こせるよ。そのくらいかなぁ」
「他にもあるだろう。例えばお前はホワイティのことをすぐに察知したが、あいつは気配を消すのがうまいやつだ。どうしてわかった」
「見えるもん。……え? 見えないの? みんな」
フィオナはドルフを見る。