王子の盲愛
「━━━━で、こんな風に考えれば……」
「あーそうかぁ!
さすが、王弥くんだ!わかりやすい!」
ソファ下のカーペットに座り、勉強をしている二人。

王弥が理世を後ろから抱き締めるように座り、教えている。

ふと、テーブルに置かれていた王弥の左手が目に入る。
その手の横に、理世は左手をそえた。

「理世ちゃん?」
「指輪…お揃い……」
「うん!結婚指輪だからね!お揃い!」

【貴女の色は、学園のみんなを汚すのよ】

理世は頭を振り、国松の言葉を振り払った。
「理世ちゃん?
なんか、さっきからおかしい。
どうしたの?」
「ううん。
王弥くん、指長いね!私の見て!
短いでしょ?」
「そうかなぁ…
でも、ちっちゃくて可愛いよ!」
そう言って、理世の手を優しく掴んだ。

「王弥くん?」
「小さくて、柔らかくて……食べたくなる……」
「な、なんか…最後の発言、おかしいよ?」
「そう?
でも、美味しそう……!」
パクッと、理世の指を咥えた王弥。

「んんっ……ちょっ…王弥く…」
「気持ちいい?」
「んん…お願…やめ…て…////」
「フフ…可愛い……顔が蕩けてる。
…………ベッド行く?」
「……/////」

(どうしよう…////嫌じゃない……!)
でも、素直に頷けない理世。

理世は、顔を真っ赤にして王弥を見つめていた。

「……////理世ちゃん…それ、反則…////
ごめん、僕の方が我慢できない!」

王弥は理世を抱き上げ、ベッドルームに向かった。
そして優しくベッドに下ろし組み敷いた。

「理世ちゃん…抱かせて?」

「王弥く━━━━━━」
「お願い…!!拒まないで……!?」
「王弥くん…」
「お願い…理性が……保てない……
大切な理世ちゃんに……無理矢理はしたくない……!」
王弥は、理世の額に自分の額をくっつけた。
苦しそうに、懇願する。

「違うの!」
「え?」
「嫌じゃないよ!ただ、恥ずかしくて“抱かれたい”って言えなかっただけ……」

「理世ちゃん…」
王弥が理世の頬に触れた。
「んん…」
少しずつ、理世の身体に滑り落ちていく。

「可愛い…理世ちゃん……」
「王弥くん、好き…」
「うん…僕も大好き……
どうしよう……今日の理世ちゃん、一段と可愛い…
興奮する……」

口唇が重なり、少しずつ深くなっていく。

「んん…お…やく……」
「理世ちゃん…理世…理世、好き……大好きだよ…」

二人は夕食も忘れて、抱き合っていた。
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