王子の盲愛
「は?関係ないし。
父さんって、そんなくだらないこと言う人だったっけ?」
王弥が少し睨み付けるように言った。
「世間体の話だよ。
もちろん僕は、王弥が決めた人のことをとやかく言う気はないよ。理世さん、見た目は地味だが、内面から出てくる美しさみたいなのがある。
母さんが生きてたら、可愛がりそうだ!
でもただ……周りを納得させるのが面倒だなと思っただけ。
僕達の周りは、うるさいのが多いだろ?」
父親は、灰皿に煙草を潰し言った。
「そうだね。
ほんっと、くだらない……!」
「やっぱ、そうなんだ……」
王弥を呼びに来ていた理世。
二人の話をかげから聞いていた。
でも、声をかけることができずに立ち尽くしていた。
【私が八神家のお嫁に行くはずだった】
また、国松の言葉が蘇る。
ずっと、国松の“貴女の色は王弥を汚す”という言葉が頭から離れない理世。
どんなに王弥が関係ないと思っていても、理世にとっては凶器その物だ。
理世は不安に押し潰されそうになっていた。
【僕が理世ちゃんの最後になる】
と言ってくれた、王弥。
その言葉を信じなきゃ!と自分自身に言い聞かせていた。
「では、ここで……」
「ありがとうございました!」
親達とレストラン前で別れ、王弥と理世はゆっくり手を繋ぎ、歩いて帰路についていた。
「カッコいい…////」
「どっかで見たことあるよね?」
「どこだっけ?」
「それにしても、ヤバいくらいにイケメン////」
途中、すれ違う人達が口々に噂をしている。
「てか、彼女?よく一緒に歩けるよね~」
「恥ずかしくないのかな~」
(やっぱ、そうなるよなぁ……)
どうしても、耳に入ってくる噂話。
「理世ちゃん」
「え?あ、何?」
「なんかこの街、雑音多いよねー」
王弥が、周りに聞こえるように張り上げて言った。
「え?そ、そうかな?」
「汚ない声が聞こえてくる。
僕の耳…腐るかも?」
「え?え?ちょっ…王弥くん?」
周りの人達は、罰が悪そうにしだす。
理世は、オドオドしている。
「言いたいことがあんなら、直接言えばよくない?
雑音ばっか、気色悪い…!吐き気がするー」
「あの…王弥くん…?」
なんとか、王弥を止めようとする。
「それに比べて理世ちゃんは、可愛いし綺麗だよねー!
声も透き通ってるみたいに、綺麗だしー
僕ね、理世ちゃんの声聞いてると…物凄く心地いいんだぁ!」
「あ、そうかな?
………王弥くん…ありがとう!」
王弥が気を遣ってくれているのがわかり、理世は微笑んだのだった。
父さんって、そんなくだらないこと言う人だったっけ?」
王弥が少し睨み付けるように言った。
「世間体の話だよ。
もちろん僕は、王弥が決めた人のことをとやかく言う気はないよ。理世さん、見た目は地味だが、内面から出てくる美しさみたいなのがある。
母さんが生きてたら、可愛がりそうだ!
でもただ……周りを納得させるのが面倒だなと思っただけ。
僕達の周りは、うるさいのが多いだろ?」
父親は、灰皿に煙草を潰し言った。
「そうだね。
ほんっと、くだらない……!」
「やっぱ、そうなんだ……」
王弥を呼びに来ていた理世。
二人の話をかげから聞いていた。
でも、声をかけることができずに立ち尽くしていた。
【私が八神家のお嫁に行くはずだった】
また、国松の言葉が蘇る。
ずっと、国松の“貴女の色は王弥を汚す”という言葉が頭から離れない理世。
どんなに王弥が関係ないと思っていても、理世にとっては凶器その物だ。
理世は不安に押し潰されそうになっていた。
【僕が理世ちゃんの最後になる】
と言ってくれた、王弥。
その言葉を信じなきゃ!と自分自身に言い聞かせていた。
「では、ここで……」
「ありがとうございました!」
親達とレストラン前で別れ、王弥と理世はゆっくり手を繋ぎ、歩いて帰路についていた。
「カッコいい…////」
「どっかで見たことあるよね?」
「どこだっけ?」
「それにしても、ヤバいくらいにイケメン////」
途中、すれ違う人達が口々に噂をしている。
「てか、彼女?よく一緒に歩けるよね~」
「恥ずかしくないのかな~」
(やっぱ、そうなるよなぁ……)
どうしても、耳に入ってくる噂話。
「理世ちゃん」
「え?あ、何?」
「なんかこの街、雑音多いよねー」
王弥が、周りに聞こえるように張り上げて言った。
「え?そ、そうかな?」
「汚ない声が聞こえてくる。
僕の耳…腐るかも?」
「え?え?ちょっ…王弥くん?」
周りの人達は、罰が悪そうにしだす。
理世は、オドオドしている。
「言いたいことがあんなら、直接言えばよくない?
雑音ばっか、気色悪い…!吐き気がするー」
「あの…王弥くん…?」
なんとか、王弥を止めようとする。
「それに比べて理世ちゃんは、可愛いし綺麗だよねー!
声も透き通ってるみたいに、綺麗だしー
僕ね、理世ちゃんの声聞いてると…物凄く心地いいんだぁ!」
「あ、そうかな?
………王弥くん…ありがとう!」
王弥が気を遣ってくれているのがわかり、理世は微笑んだのだった。