王子の盲愛
王子と依存

【独占】

『女子会のお誘い☆
理世ちゃんも、来ない?』
とメッセージがきていた。

「理世ちゃん、誰?」
峰高(みねたか)和可子(わかこ)さん。
ほら、前に少し話した幼なじみのお兄さんの彼女さんだよ。妹みたいに可愛がっててくれてて…
和可子さん、もう社会人で忙しいのにいつもこんな風に声をかけてくれるの。
他に二人、和可子さんの友達もいて二人もよくしてくれるんだよ!」

「へぇー」
「王弥くん、行ってきていい?」
王弥を見上げ、窺うように言った。

「女子会ってことは、男はいない?」
「うん。それは、大丈夫!いつも私を入れてその四人で食事してるから」
「……………わかった。でも、僕も行き帰りはついてくからね」


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女子会当日。
「理世ちゃん、はい!」
「ん?これ、王弥くんの香水?」
「付けていって?」
「うん」
「あと、これ着て!」
「え?パーカー?」
「うん、僕のパーカー。理世ちゃんには大きいけど、今日寒いし問題ないよね?」
「………わかった」

朝から、王弥の指示通りに動いている理世。
服装、化粧、アクセサリーまで全て王弥がコーディネートしている。
そうしないと、行かせてくれないのだ。

「はぁ…なんで、こんな可愛いの……?
可愛くないようにしてるのに、何しても可愛い……」

王弥は出来上がった理世を見て、うっとりとし惚れぼれしながら言った。

「そうかな?いつもと違うから、和可子さん達びっくりしないかなって、ちょっと心配してるくらいなのに」

肌の露出が少ないようにと、パンツにメンズのパーカーを着ている理世。
しかもキャップ(王弥のキャップ)までかぶって、ボーイッシュな感じだ。

「王弥くん、もう行かなきゃ!遅れちゃう……」

駅前で和可子達と待ち合わせの為、そこで別れる王弥と理世。
「じゃあ、理世ちゃん。
終わったら、連絡ちょうだい!
絶対に!一人にならないこと!なんかあったら、僕に連絡!万が一男が来たら、即!帰宅!
わかった?」
「わかった」
理世は、大きく頷いた。

「………」
「……王弥くん?」
「放れたくない」
「フフ…王弥くん、なんか…可愛い~」
「ねぇ…ギリギリまで一緒にいよ?」
「うん」
「あーあ、女子会…中止になればいいのにぃー」
「もう(笑)
王弥くんは、その間何するの?一旦帰る?」
「んーこの辺、ぶらぶらしようかな?」
「そっか。
……………王弥くん」
「ん?」
「王弥くんこそ、気をつけてね」
「ん?何が?」
「王弥くん、イケメンさんだから逆ナンとか……」
「え?」
「私だって、ヤキモチ妬くんだよ?
王弥くんが、他の女性と話したりするの。
だから━━━━━」

理世はバックについていたチャームを取り、王弥のバックにつけた。
「理世ちゃん?」
「ちょっと可愛らしいけど……
パーカーと香水のお返し!」

そう言って、王弥に微笑んだ。
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