王子の盲愛
「違うよ!」
「え?」
「理世が可愛すぎて、今すぐ抱きたいくらいに興奮したってこと!もう!今の言動、反則だよ!!」
そう言って王弥は、興奮を静めるように理世の口唇を奪ったのだった。

「はい、理世ちゃん!どうぞ?」
買ったサンドイッチを開け、理世に差し出す王弥。

「え?王弥くんが、食べなきゃ!
私は一口、貰えたらそれで……」
「じゃあ…」
そう言って一つサンドイッチを取った、王弥。
理世の口元に持っていく。

「え?」
「はい、あーん!」
「え?王弥くん?」
「いいから!」
「う、うん…」
パクッと一口食べる。
すると、そのまま王弥が残りのサンドイッチを食べた。

「ん。美味しい!」
微笑み言った、王弥。
「……////」
「はい!理世ちゃん、あーん!」
「うん////」
結局最後まで、理世に一口食べさせた残りを食べた王弥だった。



その後、ゆっくり手を繋ぎ歩く。
「あ、こ、これは…!」
理世が突然コンビニの前で立ち止まり、あるポスターに見入る。

「ん?理世ちゃん?どうしたの?」
「グレプちゃんの一番クジが始まったって!」
「あー、最近キモ可愛いって人気の出てるグレープのキャラクターね!」
「そう!このグレてる悪い感じが、また可愛いの~!」
「する?」
「え?いいの!?」
「うん!もちろん!」
微笑む王弥に、理世も嬉しそうに微笑んだ。

「あの、抱き枕欲しいなぁ~
あ、でも!ひざ掛けでもいいなぁ!」
理世が見本を見ながら言った。
王弥はそれを微笑ましく見ていた。

「はい、一回どうぞ!」
店員がクジの箱を出す。

ゆっくり手を差し込み、一つ取り出す。
「よし、これ」
クジを確認する。
「………六等」
「六等は、こちらです」
ミニタオルだった。

「ミニタオルかぁ…
そう、上手くはいかないね!
でも、見て!可愛い!」
心なしか悲しそうな理世。

「………」
「王弥くん?帰ろ?」
「……僕も一回やってみるよ!」
「え?うん」

王弥もクジを引く。
「………四等」
「四等ですね!四等は、こちらです」
「キーホルダー?」
「可愛い~グレプちゃんのマスコットキーホルダーだ!」
「はい、理世ちゃん!」
「ありがとう!じゃあ…早速!」
理世はバックにつけた。

そして嬉しそうに、キーホルダーを眺めていた。

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