甘い放課後
放課後,先輩の家。
「ぐぬぬ」
私は怒り,また葛藤していた。
先輩は意地悪だ。
そんな人と付き合っている私はもっと変だ。
でもなんでか好きだから止められない。
「ほらどうしたの? 食べたくない?」
食べたいに決まってる。
先輩が手に持っているのは,有名で手に入りずらく高級な,しかも限定のチョコ。
チョコレートに目がない私には是非とも食べてみたいものだった。
先輩が私にそれをくれる条件,それは…
『にゃあって猫の真似してみてよ』
ただの変態だ。
でも…
羞恥で顔が赤くなる。
目にも涙がたまって情けない。
私は決死の思いで顔をあげた。
「にな,にゃあ……」
「なにそれ,そこまでやれとか言ってない……襲われたいの?」
私は,ガッとチョコを加えた先輩に,噛みつくようなキスをされる。
チョコが食べられればそれで良かったのに…!
翌日,先輩に食べられてしまった私のからだには,沢山の赤い花が咲いていた。
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