クリスマスイブにベルが鳴る
ビクッと握っている手が震えるのがわかる。
「俺も自惚れてもいい?
両思いかもって」
「奈良く」
そう言いかけた唇に自分のを重ねた。
甘くて柔らかくて。
もっと、と欲してしまう気持ちを抑え、唇を離すと頬に手をそえる。
「西野のこと、好きだよ」
一瞬揺れた瞳はすぐにまっすぐ見つめてきて。
「私も奈良くんのこと好き」
満面の笑みで、答えてくれる。
西野の熱い頬に引き寄せられるように。
何度か、ゆっくりキスをする。
「んっ」と小さく漏れる声と。
気持ち良さにのみこまれないよう、離れようとすると。
「…やめないで」
消えそうな声で、肩をぎゅっと掴まれた。
…残業で疲れてるんじゃないかとか、そういう配慮が一気にふっとび西野をソファに押し倒す。
あぁ、だめだ、もう止められない。
目の前の彼女をめちゃくちゃにしたくてたまらない俺は。
やっぱり優しくないと思う。