偶然から始まった恋の行方~敬と真理愛~
「何かお気に召しませんか?」
黙り込んでしまった高城先生に、おじさんが問いかける。

「ええ、気に入りません。まず、親に黙って何度も娘を泊めるのが気に入りません。先日、私は注意したはずだよね。それに対して君はもうしないと約束してくれたはずだ」
「・・・すみません」
その点は謝るしかない。

「そのことは私からもお詫びします。大事なお嬢さんに申し訳ない」
「いえ、小鳥遊先生が謝られなくても・・・」
「しかし、高城先生が反対なさっている理由は別にあるように思いますが?」

ん?
おじさんの言葉に俺も顔を上げた。

「それは・・・」
言いにくそうな高城先生。

「高城先生お願いします。はっきり言ってください」
どんなことを言われても、この曖昧な状態よりましだ。
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