偶然から始まった恋の行方~敬と真理愛~
心の傷…敬
「杉原先生お願いします」
「はい」
週末の県立病院勤務は、いつも忙しい。
何をしていてもすぐに声がかかるのはいつものことだ。
大学病院ではどちらかと言えば新米の俺も、古巣のここでは中堅的な存在。
その分責任も重いが、やはり働きやすい職場でもある。
「杉原先生、国道で起きた多重事故で、複数の受け入れ依頼です」
消防からのホットラインをとった研修医が俺に声をかける。
「状況は?」
「重傷2名、軽傷3名。重傷者のうち1人は頭部外傷あり。もう1人はCPAです」
CPAとは心肺停止。
つまり心臓も止まり呼吸もしていないということ。かなり危険な状態だ。
「わかった。受け入れて」
「はい」
うちの病院の救急は県内屈指の規模を誇る『高度救命救急センター』
外傷センターを併設していて、その設備とレベルは大学病院よりもはるかに上。
その分患者さんも多くていつも混雑している。
「杉原先生、軽症者をあと4人受け入れてほしいとの要請ですが?」
今度は別の研修医が聞いてきた。
「えー、4人?大学病院は無理なの?」
一度に9人はかなりの負担だし、その間に急患が来るリスクを考えればどこかに分散したい。
「大学病院は緊急のオペが重なっているそうで、受け入れ不可だそうです」
ふーん。
じゃあ仕方ない。
「わかりました。受け入れます」
さあ、今日も忙しくなりそうだ。
「はい」
週末の県立病院勤務は、いつも忙しい。
何をしていてもすぐに声がかかるのはいつものことだ。
大学病院ではどちらかと言えば新米の俺も、古巣のここでは中堅的な存在。
その分責任も重いが、やはり働きやすい職場でもある。
「杉原先生、国道で起きた多重事故で、複数の受け入れ依頼です」
消防からのホットラインをとった研修医が俺に声をかける。
「状況は?」
「重傷2名、軽傷3名。重傷者のうち1人は頭部外傷あり。もう1人はCPAです」
CPAとは心肺停止。
つまり心臓も止まり呼吸もしていないということ。かなり危険な状態だ。
「わかった。受け入れて」
「はい」
うちの病院の救急は県内屈指の規模を誇る『高度救命救急センター』
外傷センターを併設していて、その設備とレベルは大学病院よりもはるかに上。
その分患者さんも多くていつも混雑している。
「杉原先生、軽症者をあと4人受け入れてほしいとの要請ですが?」
今度は別の研修医が聞いてきた。
「えー、4人?大学病院は無理なの?」
一度に9人はかなりの負担だし、その間に急患が来るリスクを考えればどこかに分散したい。
「大学病院は緊急のオペが重なっているそうで、受け入れ不可だそうです」
ふーん。
じゃあ仕方ない。
「わかりました。受け入れます」
さあ、今日も忙しくなりそうだ。