偶然から始まった恋の行方~敬と真理愛~
点滴が終わるころには敬也の熱はすっかり下がった。
顔色もよくなったし、元気も出てきたみたい。

「これで帰れますか?」

抜針が終わり、自由になった敬也を抱きながら男性医師に聞いてみる。

「もう少しで血液検査の結果が出ますからお待ちください」
「わかりました」
仕方ない、もう少し待とう。

皆川先生は何か気づいているのかもしれない。
そう思うととても不安で、一刻も早くここから出たいけれどどうしようもない。


さらに待つこと、

20分。

30分。

40分。

人の手を縫うってそんなに時間のかかることなんだろうかと疑問に思った頃、

「ごめんなさい、お待たせしました」
診察室のドアが開き入ってきた環さん。

その手は綺麗に包帯が巻き直されている。
そして、環さんに続に入ってきた皆川先生と、

「え・・・どうして」
私は息が止まりそうになった。
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