偶然から始まった恋の行方~敬と真理愛~
真理愛に関しては、自分でもびっくりするくらい感情が出る。
そして、口にしてしまってから後悔するんだ。
本当に情けない。

「すまなかった」
真理愛に睨まれてやっと素直に謝った。

「子供のこと、言わせなかったのは俺の責任だな」
不安だったから、真理愛は言い出せなかったんだろう。
それは俺の罪だ。

もう誤魔化さない。
好きも嫌いも、たとえそれが俺のエゴであっても、真理愛には隠さない。
覚悟を決めて、俺は真理愛を抱きしめた。

「ごめんなさい、勝手なことをして。でも、どうしてもあなたのことが忘れられなかったの」
「俺だって、真理愛のことを忘れたことはなかった」

どうやら俺たちは思いあっていたらしい。
うすうす気が付いてはいたが、同じ気持ちでいたことにホッとした。
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