偶然から始まった恋の行方~敬と真理愛~
隣町のお祭り会場までは車で5分ほど。
子供の足でも歩けない距離ではない。
以前に連れて行ったことのある広場だから、場所もわからなくはないはず。
ただ、敬也がひとりで行けるとは思えない。
ってことは、太一君が一緒のはず。きっと二人は一緒にいるんだ。

ブブブ。
携帯の着信。
敬からだ。

「もしもし真理愛、今どこだ?」
「えっと、隣町のお祭り会場に行ってみようと思って」
多分2人はそこにいると思うから。

「何で連絡してこないんだよ」
「だって・・・」
敬もおじさまも仕事で留守だったし、産後の環さんや腰の悪いおばさまに無理はさせられないから。

「今から俺も向かうから、無理をするんじゃないぞ」
「でも敬、仕事が」
「バカ、そんなことを言っている場合かっ」

そうよね。
敬也はまだ3歳なんだもの。
早く見つけてやらないと。
< 198 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop