偶然から始まった恋の行方~敬と真理愛~
「ただいま」
「おかえりなさい」
敬の車で家に帰り、玄関を開けると環さんとおばさまが待っていた。

「太一っ」
怖い顔をして睨みつけた環さんを、
「環」
なぜか敬が止める。



「2人ともそこに正座」
敬が敬也と太一君を連れて行ったのは小鳥遊家の仏間。

普段はあまり入ることのない和室に2人を座らせて自分も向かい合って座った。

「お祭りに行きたかったのか?」
「うん」「はい」

「ママはいいって言ったのか?」
「・・・」
「敬也、どうなんだ?」
「ママはダメって」
「じゃあ何で行った?」
「戦隊ショーが見たかったから」

「太一はお母さんに言った?」
フルフルと首を振る太一君。

「黙っていなくなれば心配するってわかるよな」
「・・・」
太一君は黙り込んでしまった。

その時、
「太一ッ」
ものすごい勢いで、皆川先生が駆け込んできた。

そこからは父親2人による説教タイム。
まだ小さい子には難しい話もあるけれど、2人がいなくなったことでみんながどれだけ心配したかを話す敬と、間違ったことをしたんだと厳しく叱る皆川先生。
私と環さんは黙って見守るしかなかった。

「敬君も新太さんももういいでしょう。2人ともわかったはずだから」
おばさまが助け舟を出したのは1時間ほど後だった。
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