偶然から始まった恋の行方~敬と真理愛~
15分ほどタクシーを走らせ到着したのは、地元の老舗ホテル。
このあたりでは一番大きくて格式があり、お見合いと言えば定番の場所。
「いらっしゃいませ高城様」
ホテル内にある日本料理店の前までくると、おじさんに気づいたスタッフが出てきた。
「今日はお世話になります」
笑顔で挨拶するおじさんに、
「こちらこそ、ありがとうございます」
ペコペコと頭を下げている。
どうやらお相手はすでに到着済のようで、すぐに店内へと案内された。
えっと、お相手は・・・
確か政治家の息子。年齢は28歳だから、私より7歳年上。
一体どんな人だろう。
ん?
おじさんとママに続いて廊下を歩いているとき、すれ違った集団に目が留まった。
嘘。
声が出そうになるのを何とか飲み込む。
今すれ違った中にいた見覚えのある顔。
目が合ったわけではないから気が付かなかったのかもしれないけれど、私は見逃さない。
だって、忘れることのできない人だから。
「真理愛」
私の足が止まったのに気づいてママが振り返っている。
「ああ、はい」
慌てて駆けよりながら、私はお見合い相手ではなく4年前に出会った彼を思い出していた。
このあたりでは一番大きくて格式があり、お見合いと言えば定番の場所。
「いらっしゃいませ高城様」
ホテル内にある日本料理店の前までくると、おじさんに気づいたスタッフが出てきた。
「今日はお世話になります」
笑顔で挨拶するおじさんに、
「こちらこそ、ありがとうございます」
ペコペコと頭を下げている。
どうやらお相手はすでに到着済のようで、すぐに店内へと案内された。
えっと、お相手は・・・
確か政治家の息子。年齢は28歳だから、私より7歳年上。
一体どんな人だろう。
ん?
おじさんとママに続いて廊下を歩いているとき、すれ違った集団に目が留まった。
嘘。
声が出そうになるのを何とか飲み込む。
今すれ違った中にいた見覚えのある顔。
目が合ったわけではないから気が付かなかったのかもしれないけれど、私は見逃さない。
だって、忘れることのできない人だから。
「真理愛」
私の足が止まったのに気づいてママが振り返っている。
「ああ、はい」
慌てて駆けよりながら、私はお見合い相手ではなく4年前に出会った彼を思い出していた。