偶然から始まった恋の行方~敬と真理愛~
「じゃあどうでしょう、真理愛さんも心配で言っているんでしょうから、その気持ちをくんで付き添っていただきましょうよ。付き添い用のベットを用意してもいいですし、ご希望なら特別室へ移ってもいいですしね」
「そんなあ」

皆川先生の提案がママには不満そうだけれど、病院の事情を知っているらしいおじさんはすぐに賛成してくれた。

「特別室が空いているならお願いします。あそこなら家族宿泊用の部屋やバストイレもついているから不自由もないだろうし」
「でも、高いんでしょ?」
「そのくらい僕が負担するから、ママは気にしなくていいよ」
「でも・・・」

最後までママはブツブツと言っていたけれど、おじさんがなだめてくれた。



「じゃあ、何かあればすぐに連絡するんだよ」
「はい」

「真理愛、皆さんにご迷惑かけるんじゃありませんよ」
「はいはい」

キーキー叫ぶママが一番の迷惑だって、本人は気づいていないんだから。
とにかくまあ、おとなしく帰ってくれてよかった。

最後まで、おじさんは皆川先生と敬さんに「よろしくお願いします」と頭を下げて帰って行った。
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