偶然から始まった恋の行方~敬と真理愛~
「私がここにいるのは、わがままなのかしら?」
少し疲れの見えた顔でつぶやいた真理愛。

さすがに1週間もひとりで付き添っていれば体力だって限界だろう。
いつ目が覚めるかわからない人の側にいる生活はストレスだって溜まるはず。

「疲れたのか?」
「違うわよ」
「じゃあ、どうした?」
「・・・」
真理愛は黙り込んでしまった。

俺がここに来るのは1週間ぶりだから、その間どんなことがあったのかの詳細まではわからない。
たとえ何かあったとしても、患者の陰口を言うようなスッタッフはここにはいない。
それでもはっきりしているのは、真理愛が疲れきっているってこと。
きっと、睡眠も食事も足りていないんだろうな。

「あんまり無理をするなよ」
「わかってるって」

「何か食べたいものがあれば言え」
何でも用意してやるぞの思いを込めた。
それに対して、

「何でもいいの?」
真理愛の表情が変わった。

「ぁ、ああ」
こんな時だから、何でも用意してやる。
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