偶然から始まった恋の行方～敬と真理愛～
その日の夕方。
私はまた敬さんの部屋に来ていた。

「あれ、お味噌汁を作ってくれたんだ」
「うん。少しは温かいものが欲しいかなって思って」

おかずは冷蔵庫にギッチリ入っているから、せめて汁物だけでもと思ってお味噌汁を作った。

「食事の用意をしておくから、先に着替えてきたら。お風呂も沸いているわよ」
「ああ、そうだな。シャワーだけ浴びてくるよ」
「うん、ゆっくり行ってきて」


バスルームに向かう敬さんを見送って、私は近くの椅子に腰を下ろす。

はあぁー。
大きなため息を一つ。

今日田中さんに言われたことは、すごくショックだった。
きっとそれが世間の目なんだろうけれど、正直傷ついた。
このまま一人で夜を過ごせば益々落ち込みそうで、敬さんの部屋に来てしまった。

あの様子だと、田中さんがこのまま黙ってくれるとは思えない。
ひと騒動あるだろうけれど、それでお見合い壊れるならそれでいいとも思っている。元から乗り気ではなかったし。
なるようになればいい。
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