偶然から始まった恋の行方~敬と真理愛~
テーブルの向こうから、まっすぐに俺を見る高城先生。
その表情は変わらず静かで穏やか。
しかし、目が笑っていない。
何かを射抜くんじゃないかってくらい強い眼差しを俺に向けている。

「真理愛がお父さんに付き添う姿が自分に重なったりしたのかい?」
「いえ」
そんなつもりはない。
俺と真理愛では状況が違う。

なぜだろう高城先生の言葉にはどこか棘があるような気がしてならない。

「真理愛のお父さんを治療してもらったことには感謝しているんだ。かなり重篤な状態だったからね」
「僕は何も・・・」
医者として自分の仕事をしただけて、礼を言われるような事は何もしていない。

確かにかなり危険な状態だったが、真理愛の献身的な看護のおかげで回復したのだと俺は思っている。

「ただし、そのことと真理愛を家に泊めることは話しが違う」

うッ。
一瞬声が漏れそうになった。

やはり、そう言うことか。
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