偶然から始まった恋の行方~敬と真理愛~
忘れられない人…敬
「杉原先生おはようございます」
「おはようございます」
午前7時半。
日勤帯のスタッフが出てくるよりも早い時間に、俺は救急病棟へ顔を出した。
「いつも早いですね」
「ええ、まあ」
昨日夜勤だったらしい病棟師長が声をかけてくれるのはいつものこと。
俺は端末を立ち上げて受け持ち患者の経過をチェックする。
「他の先生たちも杉原先生を見習ったらいいのに」
たまたま周りには誰もいない場所だったからか、師長がポロリと本音を漏らす。
「やめてください。聞こえたら大変ですよ」
「すみません」
もしこんなことが先輩たちの耳にでも入れば、こっちまで文句を言われそうだ。
ただでさえあまり強い立場ではないんだから、できるだけトラブルは避けたい。
ここは関東近県の国立大学付属病院。
俺は以前勤務していた県立病院からの出向の形で今ここにいる。
とはいえ、県立病院から全く離れたわけでもなく、月から金で大学病院に勤務し週末に県立病院の勤務で働く。そんな生活を2年近くも続けている。
「おはようございます」
午前7時半。
日勤帯のスタッフが出てくるよりも早い時間に、俺は救急病棟へ顔を出した。
「いつも早いですね」
「ええ、まあ」
昨日夜勤だったらしい病棟師長が声をかけてくれるのはいつものこと。
俺は端末を立ち上げて受け持ち患者の経過をチェックする。
「他の先生たちも杉原先生を見習ったらいいのに」
たまたま周りには誰もいない場所だったからか、師長がポロリと本音を漏らす。
「やめてください。聞こえたら大変ですよ」
「すみません」
もしこんなことが先輩たちの耳にでも入れば、こっちまで文句を言われそうだ。
ただでさえあまり強い立場ではないんだから、できるだけトラブルは避けたい。
ここは関東近県の国立大学付属病院。
俺は以前勤務していた県立病院からの出向の形で今ここにいる。
とはいえ、県立病院から全く離れたわけでもなく、月から金で大学病院に勤務し週末に県立病院の勤務で働く。そんな生活を2年近くも続けている。