星名くんには秘密がある
***
「そんなに痛くないから」
細い足首に浮かび上がる蕁麻疹のようなあと。
ビーチバレーをしていた時、波打ち際で瀬崎さんがクラゲに刺された。白い肌は赤くなり、湊くんが応急処置として海水をかけている。
「ごめん」とつぶやく彼に、太陽で火照ったような頬をして「ほんとに大丈夫よ」と彼女は言う。
「湊くんは何も悪くないわ。気を付けてって言われてたのに、気を抜いた沙絢がいけなかったのよ」
「そうだよ! 星名くんが謝ることじゃないでしょ」
「……恵比寿さんは黙ってなさい? 湊くんは、沙絢と話してるのよ」
「結局、防げなかった僕が悪いんだ。痛い思いさせて、ほんとに……ごめんね」
眉を下げて辛そうにする湊くんを見ていられなかった。
たぶん、クラゲに刺される未来が見えていたからなのだろう。
「それにしても、小雪上手かったよなー。中学の時にバレーでもしてた?」
「いや、水泳部」
「ああ、なんとなくスクール水着の想像ついた」
「樹が言うと変態発言に聞こえるのは気のせい?」
「それは気のせいだ」
相変わらず軽快なやり取りだなと感心していると、足の砂を落としながら比茉里ちゃんが口を開いた。
「瀬崎さんのマシュマロボディーに、鼻の下伸ばしてたもんね。樹くん」
「そんなに痛くないから」
細い足首に浮かび上がる蕁麻疹のようなあと。
ビーチバレーをしていた時、波打ち際で瀬崎さんがクラゲに刺された。白い肌は赤くなり、湊くんが応急処置として海水をかけている。
「ごめん」とつぶやく彼に、太陽で火照ったような頬をして「ほんとに大丈夫よ」と彼女は言う。
「湊くんは何も悪くないわ。気を付けてって言われてたのに、気を抜いた沙絢がいけなかったのよ」
「そうだよ! 星名くんが謝ることじゃないでしょ」
「……恵比寿さんは黙ってなさい? 湊くんは、沙絢と話してるのよ」
「結局、防げなかった僕が悪いんだ。痛い思いさせて、ほんとに……ごめんね」
眉を下げて辛そうにする湊くんを見ていられなかった。
たぶん、クラゲに刺される未来が見えていたからなのだろう。
「それにしても、小雪上手かったよなー。中学の時にバレーでもしてた?」
「いや、水泳部」
「ああ、なんとなくスクール水着の想像ついた」
「樹が言うと変態発言に聞こえるのは気のせい?」
「それは気のせいだ」
相変わらず軽快なやり取りだなと感心していると、足の砂を落としながら比茉里ちゃんが口を開いた。
「瀬崎さんのマシュマロボディーに、鼻の下伸ばしてたもんね。樹くん」