星名くんには秘密がある
白い季節の訪れに、街はクリスマスモードで一色。厚手のコートとマフラーをして、学校帰りにカフェへ寄って勉強したり、誰かの家へ行く機会が増えた。
みんなと同じ時間を過ごせることは、決して当たり前でないと気付いて、そんな毎日を幸せに思っている。
煌びやかな音楽が鳴り響き、カラフルな装飾が賑やかなクリスマス当日。受験勉強の息抜きとして、私たちは空をイメージしたテーマパーク・レインボーワールドへ出向いた。
「うわー! 初めて来たけど、雰囲気いいところ」
「テンション上がるなー! あれ? 沙絢ちゃん、なんかテンション低くない?」
「そ、そんなことないわ。今日は、気合い入れて来たの。ちゃんと楽しむに決まってるじゃない」
宇宙を旅するジェットコースター、雲に乗って空を飛べる3Dアトラクションを乗ったあたりから瀬崎さんの様子がおかしくなった。ほとんど何も話さなくなり、ずっと青ざめた顔をしている。
「はい、お茶買って来たよ。少し休んだ方がいいと思うけど」
「ダメよ。這ってでも乗り続けるわ。これはミッションなの」
ペットボトルのお茶をワインのようにグイッと飲んで、瀬崎さんはアクション映画並の台詞を吐いた。
「あんたはアンジーか」
「沙絢にとっては戦場だからなー」
比茉里ちゃんと明智さんの突っ込みに笑いが起こる。どうやら、絶叫マシンが苦手だったらしい。みんなに合わせようと必死な彼女は、やっぱり素直で健気な人だ。
みんなと同じ時間を過ごせることは、決して当たり前でないと気付いて、そんな毎日を幸せに思っている。
煌びやかな音楽が鳴り響き、カラフルな装飾が賑やかなクリスマス当日。受験勉強の息抜きとして、私たちは空をイメージしたテーマパーク・レインボーワールドへ出向いた。
「うわー! 初めて来たけど、雰囲気いいところ」
「テンション上がるなー! あれ? 沙絢ちゃん、なんかテンション低くない?」
「そ、そんなことないわ。今日は、気合い入れて来たの。ちゃんと楽しむに決まってるじゃない」
宇宙を旅するジェットコースター、雲に乗って空を飛べる3Dアトラクションを乗ったあたりから瀬崎さんの様子がおかしくなった。ほとんど何も話さなくなり、ずっと青ざめた顔をしている。
「はい、お茶買って来たよ。少し休んだ方がいいと思うけど」
「ダメよ。這ってでも乗り続けるわ。これはミッションなの」
ペットボトルのお茶をワインのようにグイッと飲んで、瀬崎さんはアクション映画並の台詞を吐いた。
「あんたはアンジーか」
「沙絢にとっては戦場だからなー」
比茉里ちゃんと明智さんの突っ込みに笑いが起こる。どうやら、絶叫マシンが苦手だったらしい。みんなに合わせようと必死な彼女は、やっぱり素直で健気な人だ。