星名くんには秘密がある
星の形をしたドームでプラネタリウムを見てから、パステルカラーで有名なソフトクリームを食べた。
珍しいブルーを買った下津くんは、みんなから一口ちょうだい攻撃を受けて、少し不機嫌になっていた。
「欲しいなら自分で買えば良いだろーよ」
「樹くんが食べてたの欲しかったんだって」
「……へ?」
「うわっ……やっぱ今のナシナシ!」
「可愛いかよ」
「くっそー。ひまりん、今のはカワイイな」
比茉里ちゃんたちのやりとりに、思わず頬が緩む。湊くんからも笑顔がこぼれて、少し安心した。ふとした瞬間にする遠くを見る目が、気になっていたから。
冬のレインボーワールドは、観覧車から見えるイルミネーションが人気。暗くなり始める頃に乗ろうという話が出たのだけど、瀬崎さんがつぶやくほどの声で。
「沙絢、頑張ったわ。湊くんと……みんなと一緒に乗るために命張ったのよ。でも、それは何を言われても無理。観覧車だけは、乗り越えられないハードルなのよ……」
「沙絢、高所恐怖症だもんなぁ」
「意外と苦手なもん多いんだねー。ギャップ、いいと思うよ」
「う、うるさいわね」
瀬崎さんに付き添うからと、明智さんも待つことになった。先にお土産を見に行くと言って、彼女たちはグッズ販売の方へ消えて行った。
「じゃあ、私たちも」
下津くんの腕を引っ張りながら、比茉里ちゃんが観覧車と反対方向へ進んでいく。
何が起こったと言いたげな表情の彼を、ぐいぐいと連れてあっという間に2人の姿は見えなくなった。
珍しいブルーを買った下津くんは、みんなから一口ちょうだい攻撃を受けて、少し不機嫌になっていた。
「欲しいなら自分で買えば良いだろーよ」
「樹くんが食べてたの欲しかったんだって」
「……へ?」
「うわっ……やっぱ今のナシナシ!」
「可愛いかよ」
「くっそー。ひまりん、今のはカワイイな」
比茉里ちゃんたちのやりとりに、思わず頬が緩む。湊くんからも笑顔がこぼれて、少し安心した。ふとした瞬間にする遠くを見る目が、気になっていたから。
冬のレインボーワールドは、観覧車から見えるイルミネーションが人気。暗くなり始める頃に乗ろうという話が出たのだけど、瀬崎さんがつぶやくほどの声で。
「沙絢、頑張ったわ。湊くんと……みんなと一緒に乗るために命張ったのよ。でも、それは何を言われても無理。観覧車だけは、乗り越えられないハードルなのよ……」
「沙絢、高所恐怖症だもんなぁ」
「意外と苦手なもん多いんだねー。ギャップ、いいと思うよ」
「う、うるさいわね」
瀬崎さんに付き添うからと、明智さんも待つことになった。先にお土産を見に行くと言って、彼女たちはグッズ販売の方へ消えて行った。
「じゃあ、私たちも」
下津くんの腕を引っ張りながら、比茉里ちゃんが観覧車と反対方向へ進んでいく。
何が起こったと言いたげな表情の彼を、ぐいぐいと連れてあっという間に2人の姿は見えなくなった。