星名くんには秘密がある
……私、なにやってるんだろう。
1人で電車に揺られていると、時々無意味なことを考える。
今、ここで窓を開けて飛び降りたらどうなるか。とか、夜空から人ならざる者でも降りて来て、拐われたらどうしよう……なんて。
きっと、みんな非現実的な世界を望んでいる。
それでいて、その瞬間は訪れるはずのない日常だとも分かっている。
だから、自分が惨めに思えてきて、涙がこみ上げたりするの。
結局、私は何も変われない。変わろうとしていないんだな、って。
私は藤波くんから、逃げているだけなのかな。
なんだか少しだけ、寄り道をしたい気分。
杠葉駅の改札を出ると、こんな時間でも学生やスーツを着たサラリーマン風の人、派手な格好で歩いている人が大勢いて。人の熱気に気後れしそうになる。
若者が好む店や飲食店が豊富で、この辺りでは一番人が多く集まる場所。
賑やかな街は、ちっぽけな私なんて簡単に飲み込んでしまうくらい大きく見えた。
夜の街って、すごく大人の香りがする。
私には、似合わない。
「……やっぱり。鹿島さん?」
1人で電車に揺られていると、時々無意味なことを考える。
今、ここで窓を開けて飛び降りたらどうなるか。とか、夜空から人ならざる者でも降りて来て、拐われたらどうしよう……なんて。
きっと、みんな非現実的な世界を望んでいる。
それでいて、その瞬間は訪れるはずのない日常だとも分かっている。
だから、自分が惨めに思えてきて、涙がこみ上げたりするの。
結局、私は何も変われない。変わろうとしていないんだな、って。
私は藤波くんから、逃げているだけなのかな。
なんだか少しだけ、寄り道をしたい気分。
杠葉駅の改札を出ると、こんな時間でも学生やスーツを着たサラリーマン風の人、派手な格好で歩いている人が大勢いて。人の熱気に気後れしそうになる。
若者が好む店や飲食店が豊富で、この辺りでは一番人が多く集まる場所。
賑やかな街は、ちっぽけな私なんて簡単に飲み込んでしまうくらい大きく見えた。
夜の街って、すごく大人の香りがする。
私には、似合わない。
「……やっぱり。鹿島さん?」