星名くんには秘密がある
今日、最後の部活を終えた。大会などの都合があって夏まで活動する部が多いなか、スイーツコンテストを終えた料理部はひと足早く引退した。
柘植先生がくれた写真のみんなは生き生きとしていて、私も楽しそうに笑っている。
不安げな表情で入部した1年、少しずつ慣れて仲間意識が強くなった2年。一生懸命みんなと走り抜けた3年。
走馬灯のように思い出が流れて、涙腺が緩む。
「高見新部長、あとは任せたよ」
「周ぶちょお……」
「高見ちゃん、頑張ってね」
「……頑張ります。周先輩、鹿島先輩……ほんとにありがとうごじゃいました。寂しいです。2人とも遊びに来て下さい」
鼻水と涙でぐちゃぐちゃの顔を見て、私の瞳も潤んでくる。
他の部員たちの鼻をすする音や目を擦る仕草に、これで本当に終わりなんだと実感した。
「みんな泣き虫めぇ〜! 私まで泣けてくるだろぉ〜 」
ずびっと鼻を擦った周さんが、私たちの肩を抱き寄せて頬をくっつける。
さらに泣き声をあげる高見ちゃん。
こうして全員が集まることは、この先もうないんだろう。
電車が過ぎ去って行くように、二度と戻れない景色を見ていることを忘れていた。
卒業したら周さんも、比茉里ちゃんも、
ーー湊くんとも、会えなくなっちゃうんだ。
柘植先生がくれた写真のみんなは生き生きとしていて、私も楽しそうに笑っている。
不安げな表情で入部した1年、少しずつ慣れて仲間意識が強くなった2年。一生懸命みんなと走り抜けた3年。
走馬灯のように思い出が流れて、涙腺が緩む。
「高見新部長、あとは任せたよ」
「周ぶちょお……」
「高見ちゃん、頑張ってね」
「……頑張ります。周先輩、鹿島先輩……ほんとにありがとうごじゃいました。寂しいです。2人とも遊びに来て下さい」
鼻水と涙でぐちゃぐちゃの顔を見て、私の瞳も潤んでくる。
他の部員たちの鼻をすする音や目を擦る仕草に、これで本当に終わりなんだと実感した。
「みんな泣き虫めぇ〜! 私まで泣けてくるだろぉ〜 」
ずびっと鼻を擦った周さんが、私たちの肩を抱き寄せて頬をくっつける。
さらに泣き声をあげる高見ちゃん。
こうして全員が集まることは、この先もうないんだろう。
電車が過ぎ去って行くように、二度と戻れない景色を見ていることを忘れていた。
卒業したら周さんも、比茉里ちゃんも、
ーー湊くんとも、会えなくなっちゃうんだ。