唯くん、大丈夫?〜小盛り編〜
牙を剥く。
唯くんと別れて美琴と教室に入ると、
クラスの友達が声をかけてくれる。
「あ!柊さん、優花、おはよー!」
「優花、大丈夫?」
「バカは風邪ひかないって迷信だったんだな〜」
「おっはよー!元気元気ー!ん?いまバカって言ったなー!?」
ちなみに今日はちゃんと上履きがあった。
失くして気づく大切さ。
はーん、UWABAKI、アイラービュー、アイニージュー。
「あ、優花。今日の英語たしか当てられるよ」
美琴が前の席から振り返ってなんでもないように言う。
「マ!?ヤバい、予習してないよ〜」
慌てて英語の教科書を取り出したときだった。
ガタン!ガタガタ!!バン!!
「〜〜〜!!」
「〜〜〜〜!」
…隣のクラス。
何やら騒がしい。
美琴と顔を見合わせる。
2人でそっと廊下を覗いてみると隣のクラスの子達が廊下に出てざわざわしてる。
「なんか九条くんが血相変えて廊下に飛び出してったんだって」
「委員長が『殺しちゃダメ』とか叫んで追いかけてったとか」
とんでもない噂が耳に入って、私と美琴は嫌な予感に目を合わせた。
「行こう…!」
「うん!」