唯くん、大丈夫?〜小盛り編〜
ゼェゼェ言いながら駅のホームの自販機に手をつく。
周りに浦高の生徒は1人もいない。
時刻は15時27分。
よしよし、ここまで5分くらいで来れた。
我ながら好タイム!フー!
走った後って謎にテンション上がるよねー!
次の電車は…4分後の15時31分。
よし、この電車に乗って帰ればバッティングしなくて済みそう。
ピロン♪
ポケットが震えてビクゥッ!と心臓が飛び跳ねる。
そろーりと変えたばかりのスマホを見ると、
唯くんからのメッセージ。
『どこ?』
いつもだったら海老反りするぐらい喜ばしい唯くんからのメッセージが、
今日は…こわい。
それでも唯くんからのメッセージを無視できるほどのメンタルは持ち合わせてなくて
『駅』
と打ち込む。
いやいや、わざわざ走ってきたのに素直に伝えてどうする?
そう思ってまだダッシュの余韻が残る震え指で×ボタンを押……
し間違えて送信ボタン、シュポッ。
ぴゃーーー
1人で白目を剥く私。
ちょっとぉおおお!!人差し指!!
何してくれてんだ!!
心の中で、大縄跳びの全国大会で足を引っ掛けてしまったメンバーを弾圧する勢いで人差し指を叱る。