唯くん、大丈夫?〜小盛り編〜
美琴はつい先日、ずっと想い続けてた30歳のおじさんと両想いになった。
あ、おじさんって叔父のおじさんじゃないよ?
私が勝手に愛称でおじさんって呼んでる。
美琴には「おじさんじゃないから!」て怒られるけど。
やっと両思いでラブラブに…と思ったらおじさん、アメリカに海外赴任が決まって5年も遠距離なんだって。
もし私だったら毎日泣き通すけどな…当の美琴は晴れやかな顔してる。
気持ちが通じ合ったから離れてても幸せなんだって。
美琴ってほんと強いなぁ
そしてそれを聞いた唯くん、思ったよりも平気そう。
…もしかして美琴のために平然を装ってるのかな?
さすが唯くん。
今度いちごミルクのパック買ってあげよう。
「美琴のクッキー…」
唯くんが空を見上げて遠い目をしてる。
「そう、それでね。その電話で純さんすごい急いでるみたいで、それにちょっと体調悪そうで…なんかあったのかなって心配で…」
美琴が眉毛を少し下げてしょんぼりしてる。
「あぁ。ちゃんと食べてくれたんだ。」
「?」
うんうん。
美琴が一生懸命作った焦げ焦げ生焼けのクッキー、お腹にくるのよね〜。
完璧超人の美琴ちゃんにも苦手なことがあったのね。
実は今日もまだちょっとキュルキュル言ってるよ。
「唯くんもクッキー貰ったの?」
「貰ってない」
「えっ、じゃあ美琴何あげたの?」
そこでまた美琴が例の顔をする。
「今回はいらないって言われちゃったんだ。」
「そうなんだ…?」
…
唯くん、やっぱりショックだったんだね。
ヨシヨシ。
購買のいちごバニラプリン買ってあげよう。