唯くん、大丈夫?〜小盛り編〜
「…強がりだよね。優花は。」
美琴がフッと女神の微笑みを浮かべる。
「そんな弱くて強い優花が、私も唯も大好きなんだよ。」
…う、
「そんなこと言われたら…っ、泣くでしょぉ〜…」
涙がブワッと溢れて、私は子供みたいに美琴に抱きついた。
「よしよし。」
美琴が泣きじゃくる私を優しく撫でてくれる。
聖母?マリア?
「…怖いのもわかる。
私も、好きな人に自分のダメなとこ見られたら嫌われるかもって思うことある。
でも、人生何が起こるか分からないよ。
いつでも気持ちを伝えられるわけじゃない。
明日、会えなくなっちゃうかもしれない。
今日、死んじゃうかもしれない。
怖い気持ちに負けて逃げてていいの?
それでホントに後悔しない?」
「…」
いつでも好きな人に会えない、美琴の言葉。
なんて重いんだろう。
「唯、大好きな人に会えなくて落ち込んでる。」
「…うそ。」
そんな唯くん、想像つかない。
「嘘だと思うなら見てきたら?
優花の大好きな人を元気にしてあげられるのは、優花だよ。」
やけにキレイな聖母マリアは、鼻水タラタラ女にティッシュを渡しながら穏やかに微笑んだ。