唯くん、大丈夫?〜小盛り編〜
「私、こんな近距離に耐えられるほど可愛くない。いつも明るいわけじゃないし、弱っちぃし。
私のもっとダメなとこ見たらきっと唯くん、幻滅するもん。」
手の隙間から涙が滲み出ていく。
「嫌われるくらいなら今までの関係で良い…
後ろからで良いから、ずっと唯くんのこと近くで見てたい。」
「…」
唯くんがそっと私の手をどけて、無表情のままぐちゃぐちゃの顔を見る。
「あ…ッ、やだ…!」
「…」
唯くんに見られれば見られるほど、どうしていいかわからなくなって恥ずかしさで涙が出てくる。
「…可愛い。」
不意打ちの言葉に顔がボッ!と音を立てて熱くなった。
「可愛いわけないじゃん…涙と鼻水でグチャグチャだよ」
「可愛いよ。全部可愛い。」
「う、だめ、ホント、見ないで…」
言ってる間も鼻水が落ちていかないか心配で必死に鼻をすすってるし、顔の温度はどんどん上昇するばかり。
「見たい。」
「…ッ」
唯くんの飾り気ひとつない真っ直ぐな言葉に、またさらに顔の温度が上昇する。