唯くん、大丈夫?〜小盛り編〜
「そっちばっかずるいじゃん。」
え?
ず、るい?
「俺だって気弱になってるダサいとことか、キレてわけわかんなくなってるとことか…見られたくなかった。」
唯くんが優しく私の目にたまる涙をぬぐって、頬に手を添える。
「でも、優花のこと見たい。
俺のために泣いたり笑ったり、恥ずかしがったり怖がったりしてる優花は可愛い。
全部、可愛い。
…全部見せて。」
「〜〜〜!!」
私は恥ずかしすぎて、唯くんに掴まれてる手をなんとか動かして腕ごと顔を覆う。
「…しつこい。」
「いま、茹だってるので…ッ、真ダコが茹で上がってるので…!」
唯くんが、
よいしょ、と簡単にその腕をどける。
「…あっか。」
「だから、言ったじゃん…!」
CGみたいに整った顔の唯くんが、意地悪く笑う。
「そういう顔。もっと見たい」
それがあまりにもキレイだから、私は映画の中に入っちゃったのかと思って一瞬固まった。
唯くんはその隙を狙って少し触れるだけの、
キスをした。
「〜〜〜〜〜!!」
耐えきれずにまたしても手で顔を覆う私。
…を、またしても簡単に取っ払って見つめる唯くん。
だからお顔が!お顔がかっこよすぎるから!
私、このままだと召されてしまうよ!天に!
「…羽根村優花は、俺の彼女。いい?」
唯くんが小首を傾げて流し目で言った。
…全人類に問いたい。
これに抗える人がいるのですか?と。
「……はい。」
唯くんがまた意地悪く笑って私の顔を両手で包む。
「…いい子。」
唯くんはゆっくり目を伏せると
さっきより長くて、さっきより熱いキスをした。