唯くん、大丈夫?〜小盛り編〜
唯くんの悩み事。
夏。
夏が来た。
朝早くから蝉がけたたましく鳴いてる。
俺は制服姿でリビングのソファに寝転びながら無駄に強い扇風機の風に当たる。
うーん。
「唯ー!」
こうして……こう?
「唯ー!おーい!手伝ってくれー!」
なんか変だな…こう?
「ゆ…」
ベシッ!
「イテ!!」
「朝っぱらからなんちゅーもん見てんだお前は!」
作業着姿の親父が、絶賛エロ動画再生中の俺のスマホを取り上げた。
「…お勉強?」
「バカ言ってないでこっち手伝え!」
「…へーい」
叩かれた頭をさすりながら階段を降りると、
親父の仕事場である修理工場に整備の終わった車が停まってる。
親父に投げられた雑巾でボディを拭きあげながら、また考え事の続きを始めた。