唯くん、大丈夫?〜小盛り編〜
「失礼しまっす!てらちんセンセー!」
勢いよく職員室のドアを開けて愛しの担任てらちんを呼ぶ。
「おぅ、羽根村。どうした?」
「上履き忘れちった〜スリッパ貸してー!」
「またか!最近多くないか?しっかりしろよ、羽根村。」
「えへへ〜。すまんすまん。」
ぶつくさ言いながらちゃんと私のサイズを把握してて、私の好きな色のピンクのスリッパ出してくれるてらちん、好っき!
「…羽根村。なんか嫌なことあったら言えよ?」
てらちんが眼鏡の奥で少し心配そうに言う。
そういえばてらちんはおじさんと同い年。
そう思うとおじさんに恋した美琴の気持ちもわからなくないなぁ。
「嫌なことなんてなーんにもないよ!毎日ハッピー!イェーイ!そんじゃ失礼しましたぁー!」
うーん…
そろそろ持って帰って洗濯して忘れた説は無理があるかな?
別の言い訳を考えないと…いや、上履きもう一個買っとく?
一個で足りるかなぁ。
校内をフラフラ歩いてると何人かのお友達と出くわす。
「優花!おはよー!」
「あっ、ミキちゃんおっはよ〜!今日の髪型かわいね〜」
「ゆかち〜おはー!」
「ゆりやん〜おはおはー!あ、昨日ゆりやんの好きなアイドル、テレビで見たよー!」
「おう、優花!こないだ世界史のノートありがとうな!」
「りょっくん!お安いご用意でっせ〜」
ありがたいことに今日もお友達がたくさん声をかけてくれる。
ふらふらヘラヘラしてるこんな私とお話ししてくれて嬉しい。みーんな大好きだなぁ!