唯くん、大丈夫?〜小盛り編〜
クソピが休憩を取ってくれて、店内からは死角にある窓際のソファー席でひと通り話を聞いてくれた。
バカにされるかと思ったけど、意外と真面目に聞いてくれてる。
やっぱ割といいやつ。
「優花ちゃん……あー、あの元気な子か。うん。分かった。」
「…」
目の前の変態が優花のことを思い浮かべてると思うとなんか、不快。
「ひとくちに気持ちよくさせると言っても、人によって様々だからね。
…でも、女の子みんな共通して言えることがある。何だと思う?」
突然のクイズ。
わかんねーから聞いてんだけど。
「……おっぱいがついてる。」
「…おん。それは、そう。でもそういうこと聞いてんじゃねーんだわ。」
「…?わかんない。」
「男は女の子の身体とか気持ちよくなってる顔とかを目で見て興奮するでしょ。
でも、女の子は違う。」
クソピが俺の胸に人差し指をトン、と当てた。
「心で感じるの。」
「…」
「ねぇ。聞いてる?」
「え、聞いてる。驚いてた。」
まさかこんな話の中で『心』なんてワードが出てくると思わなかった。
「表情なさすぎて寝てんのかと思ったわ。だから、例えば…」
クソピが移動して俺の真横に座り、俺の顔を覗き込んだ。
その距離、20センチくらい。