追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~
顔を合わせるのは、モニカがシュナイザーの企みを知ったあの夜以来で三日ぶりのこと。
メイン料理の合鴨のバルサミコソース掛けが出されてしばらく経つが、ふたりの間に会話らしい会話はなく、ぎすぎすとした空気が流れていた。
壁際に控える給仕のメイドふたりが戸惑ったような顔をしている。
あんなに仲睦まじい様子だったふたりが、急にどうしてしまったのだろうと言いたげに顔を見合わせていた。
ナイフとフォークを操る音が大きく聞こえるほど静かな中、シュナイザーが突然声をかけるからメイドたちがビクついた。
「呼び鈴を鳴らすまで退室していろ」
(えっ、ふたりきりになりたくないのに)
モニカが焦ってもメイドたちはホッとした顔をして一礼し、出て行ってしまった。
「モニカ」
カトラリーを置いたシュナイザーに落ち着いた声で呼びかけられた。
けれどもモニカはまだ三日前の怒りを引きずっているので返事をせず、食欲がないのに黙々と食べ続ける。
(私を騙した人と話したくないわ。結婚準備に浮かれていた私をどんな目で見ていたのかしら。馬鹿だなと思っていたんでしょうね。謝られたって許さないわ)
メイン料理の合鴨のバルサミコソース掛けが出されてしばらく経つが、ふたりの間に会話らしい会話はなく、ぎすぎすとした空気が流れていた。
壁際に控える給仕のメイドふたりが戸惑ったような顔をしている。
あんなに仲睦まじい様子だったふたりが、急にどうしてしまったのだろうと言いたげに顔を見合わせていた。
ナイフとフォークを操る音が大きく聞こえるほど静かな中、シュナイザーが突然声をかけるからメイドたちがビクついた。
「呼び鈴を鳴らすまで退室していろ」
(えっ、ふたりきりになりたくないのに)
モニカが焦ってもメイドたちはホッとした顔をして一礼し、出て行ってしまった。
「モニカ」
カトラリーを置いたシュナイザーに落ち着いた声で呼びかけられた。
けれどもモニカはまだ三日前の怒りを引きずっているので返事をせず、食欲がないのに黙々と食べ続ける。
(私を騙した人と話したくないわ。結婚準備に浮かれていた私をどんな目で見ていたのかしら。馬鹿だなと思っていたんでしょうね。謝られたって許さないわ)