追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~
それはもちろん革命の約束をすることである。

それで使者を返してからさらに三日が経った今日、ルビウス三世と導師が直々にやってきたのだ。

色よい返事を求めたシュナイザーに、ルビウス三世が忌々しげに抗議する。

「あまりな要求ではありませんか。王権政治を廃止しろなどと内部干渉もはなはだしい。それに元々モニカは我が国の娘ですぞ」

「自国の娘を追放したのはどなたでしたか?」

皮肉を言われて睨んできたルビウス三世に、シュナイザーは侮蔑の視線を返した。

「内部干渉、たしかにその通り。だが親愛なる貴国を思っての要求です。本物を自ら捨て、必死に聖女探しをしていたとは滑稽な。指導者が愚かではたとえ大災厄が起こらずともいずれ国は滅ぶでしょう。私はそれを憂いている」

短気な性分のルビウス三世が、侮辱に耐えられずに顔を赤くして怒り出す。

「我が国の隣国は貴国だけではない。こたびの横暴な交換条件はオルグランドとレイマークの国王に報告する。場合によっては戦争になるやもしれぬぞ」

脅しをかけられてもシュナイザーは動じず、ベルナールに視線をふった。

「その件に関しましては私から」

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