追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~
バラ窓からの七色の光を浴びて、モニカとシュナイザーが祭壇に立っている。
祝詞を捧げた大司教がシュナイザーに問う。
「モニカを永遠に愛することを、精霊にお誓いなさいまするか?」
「誓う」
モニカはベール越しにシュナイザーの顔をそっと覗き見た。
真剣なその横顔は嘘をついていないように感じたが、うまく喜べない。
続いてモニカにも同じ問いかけがなされ、静寂の中に可愛らしくはっきりとした声を響かせる。
「誓います」
(私からの愛は本物よ。愛せる人がいるのは幸せなこと。シュナイザーが私をどう思っていても関係ないわ)
心の奥底に愛されたいと叫ぶ自分がいるのに気づいているが、見て見ぬふりをする。
向き合えば、ロストブに返される自分を哀れに感じてしまいそうだからだ。
誓いの言葉の後は“授冠”という習わしに移る。
皇帝が妃をひざまずかせてティアラをかぶせるはずが、膝を折ろうとしたモニカをシュナイザーが止めた。
「立ったままで」
「え?」
モニカのベールを上げてティアラをかぶせたシュナイザーが片膝をついた。
祝詞を捧げた大司教がシュナイザーに問う。
「モニカを永遠に愛することを、精霊にお誓いなさいまするか?」
「誓う」
モニカはベール越しにシュナイザーの顔をそっと覗き見た。
真剣なその横顔は嘘をついていないように感じたが、うまく喜べない。
続いてモニカにも同じ問いかけがなされ、静寂の中に可愛らしくはっきりとした声を響かせる。
「誓います」
(私からの愛は本物よ。愛せる人がいるのは幸せなこと。シュナイザーが私をどう思っていても関係ないわ)
心の奥底に愛されたいと叫ぶ自分がいるのに気づいているが、見て見ぬふりをする。
向き合えば、ロストブに返される自分を哀れに感じてしまいそうだからだ。
誓いの言葉の後は“授冠”という習わしに移る。
皇帝が妃をひざまずかせてティアラをかぶせるはずが、膝を折ろうとしたモニカをシュナイザーが止めた。
「立ったままで」
「え?」
モニカのベールを上げてティアラをかぶせたシュナイザーが片膝をついた。