追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~
「お召替えのお手伝いをいたしましょうか?」
モニカがぼんやりしていたから着方がわからないのかと思ったのだろう。
「ううん。自分でできるわ」
もそもそと寝間着を脱ぐモニカは、故郷のために自分にできることはないのだと寂しく思っていた。
*
時刻は十三時。
シュナイザーは昼休憩も取らず、執務室で黙々と仕事をしている。
大橋の建設計画書、貴族領の視察報告書、国立病院の収賄事件後の改革案など、目を通さねばならない書類が山積みだ。
玉座にふんぞり返っているだけでは大国を統治できない。
それは覚悟の上で即位したがイライラして舌打ちし、書類の山を睨んで悪態をつく。
「くそったれが」
するとノックもなくドアが開けられ、ベルナール・スプラドア宰相が笑いながら入ってきた。
「こらこら。高貴な血筋の皇帝ともあろう方が俗っぽい言葉を使ったら駄目だろ」
羽根ペンを机上に投げ置いたシュナイザーは、椅子の背に体重を預けるとあくびをした。
「高貴な血は流れてないし、貴族連中の前では猫かぶってるから心配ない」
モニカがぼんやりしていたから着方がわからないのかと思ったのだろう。
「ううん。自分でできるわ」
もそもそと寝間着を脱ぐモニカは、故郷のために自分にできることはないのだと寂しく思っていた。
*
時刻は十三時。
シュナイザーは昼休憩も取らず、執務室で黙々と仕事をしている。
大橋の建設計画書、貴族領の視察報告書、国立病院の収賄事件後の改革案など、目を通さねばならない書類が山積みだ。
玉座にふんぞり返っているだけでは大国を統治できない。
それは覚悟の上で即位したがイライラして舌打ちし、書類の山を睨んで悪態をつく。
「くそったれが」
するとノックもなくドアが開けられ、ベルナール・スプラドア宰相が笑いながら入ってきた。
「こらこら。高貴な血筋の皇帝ともあろう方が俗っぽい言葉を使ったら駄目だろ」
羽根ペンを机上に投げ置いたシュナイザーは、椅子の背に体重を預けるとあくびをした。
「高貴な血は流れてないし、貴族連中の前では猫かぶってるから心配ない」