契約結婚のススメ
 意味ありげに口もとを歪める美加は、テーブルから腕を外し椅子の背もたれに体を預けるよう座り直した。

「いえ?」

「そうか。じゃあな」

 長居は無用だ。席を立つと「待って」と声を掛けられた。

「枇杷亭の話、よろしくね」

「――ああ」
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