契約結婚のススメ
日本時間の深夜なら、いつ電話してもいいと言われているし。試しにちょっとかけてみて、出ないようならすぐに切ればいいし。
義母と久しぶりにゆっくり話をして、美加の件もなにか誤解があるのかもしれない。もしそうなら、もう少し彼に心を開いてもいいかも?
えーい。酔った勢いだ。
スマートホンを手に、深呼吸。アプリを起動して――。
待つこと数秒、早くも後悔し切ろうとしたところで一貴さんが出た。
彼の姿が画面に映し出されると、それだけで心臓が跳ねあがる。
「いま大丈夫」
『ああ。どうした? 眠れないのか?』
一貴さんは室内にいる。外の様子はわからないけど、スーツ姿ではないから、もうプライベートな時間なのかな。
「お父さんの月命日だから、今日実家に帰ってきていて。久しぶりにおかあさんとお酒飲んでね」
『そうか。希子さんは元気か?』
「うん。ちょっと寂しそうだった」
顔が見れて、声が聞けて。それがこんなにうれしいのはきっと酔っているからだ。
義母と久しぶりにゆっくり話をして、美加の件もなにか誤解があるのかもしれない。もしそうなら、もう少し彼に心を開いてもいいかも?
えーい。酔った勢いだ。
スマートホンを手に、深呼吸。アプリを起動して――。
待つこと数秒、早くも後悔し切ろうとしたところで一貴さんが出た。
彼の姿が画面に映し出されると、それだけで心臓が跳ねあがる。
「いま大丈夫」
『ああ。どうした? 眠れないのか?』
一貴さんは室内にいる。外の様子はわからないけど、スーツ姿ではないから、もうプライベートな時間なのかな。
「お父さんの月命日だから、今日実家に帰ってきていて。久しぶりにおかあさんとお酒飲んでね」
『そうか。希子さんは元気か?』
「うん。ちょっと寂しそうだった」
顔が見れて、声が聞けて。それがこんなにうれしいのはきっと酔っているからだ。