クリスマスイブ🔔
当たり前のことだけどお産も病気も時と場合を選んではくれない。
クリスマスだからといって患者が少ないわけでもないし、街がお祭りムードで浮かれている分忙しく働く者としてはテンションが下がってしまう。
こんな日に限って朝から5件の出産。
さすがに外来が混雑する事はなかったけれど、病棟はてんてこまいだった。
完全にお昼の時間を過ぎてから病院併設のレストランに向かうと、そこにはいつもより華やかなメニューが並んでいる。
こんなところまでクリスマスなのね。
「あの、西村先生ですか?」
突然声をかけられ振り向くとそこにいたのは若い女性。
色白で細身でゆるくウエーブがかかった髪を肩まで伸ばした綺麗な人。
「えっと、」
私は子供の頃から記憶力だけが自慢だった。
でも、目の前に現れた女性に見覚えがない。
「私、法勝寺綾香と申します」
法勝寺といえば地元の名家。
確か華道の家元のおうちだったはず。と言う事はこの人はお嬢様・・・
「私に何か御用でしょうか?」
この先の展開にいくつかのシュミレーションをしながら私は冷静に尋ねていた。
クリスマスだからといって患者が少ないわけでもないし、街がお祭りムードで浮かれている分忙しく働く者としてはテンションが下がってしまう。
こんな日に限って朝から5件の出産。
さすがに外来が混雑する事はなかったけれど、病棟はてんてこまいだった。
完全にお昼の時間を過ぎてから病院併設のレストランに向かうと、そこにはいつもより華やかなメニューが並んでいる。
こんなところまでクリスマスなのね。
「あの、西村先生ですか?」
突然声をかけられ振り向くとそこにいたのは若い女性。
色白で細身でゆるくウエーブがかかった髪を肩まで伸ばした綺麗な人。
「えっと、」
私は子供の頃から記憶力だけが自慢だった。
でも、目の前に現れた女性に見覚えがない。
「私、法勝寺綾香と申します」
法勝寺といえば地元の名家。
確か華道の家元のおうちだったはず。と言う事はこの人はお嬢様・・・
「私に何か御用でしょうか?」
この先の展開にいくつかのシュミレーションをしながら私は冷静に尋ねていた。