クリスマスイブ🔔
「先生、今日も当直ですか?」
夜8時を回って、病棟師長が声をかけてきた。
「いいえ、残業です。これから年末に向けて当直が続きますから、今日は外してもらいました」
「そうですか」
家庭を持った上級医たちはみな年末年始の当直を嫌うから、下の者にお鉢が回ってくる。
本来なら私よりももっと若手の医師たちに回っていくところだけれど、数か月前に研修医が起こした事件が全国的にも注目を集めてしまったたうちの病院では今若手医師対する待遇改善に取り組んでいる為、私のような中堅医師にしわ寄せがきている。
だからと言って、仕事に不満がある訳ではない。別に用事のない私は文句も言わずに仕事を引き受ける。その代わり、クリスマスは大河と過ごそうと当直を外してもらっていた。
しかし・・・
「西村先生クリスマスですよ、帰らなくていいんですか?」
黙々とカルテ入力している横で、冗談めかして笑う同僚の男性医師。
「ったく、面倒くさっ」
吐き捨てる私。
当然周囲の空気が凍り、目の前から人が消えていく。
夜8時を回って、病棟師長が声をかけてきた。
「いいえ、残業です。これから年末に向けて当直が続きますから、今日は外してもらいました」
「そうですか」
家庭を持った上級医たちはみな年末年始の当直を嫌うから、下の者にお鉢が回ってくる。
本来なら私よりももっと若手の医師たちに回っていくところだけれど、数か月前に研修医が起こした事件が全国的にも注目を集めてしまったたうちの病院では今若手医師対する待遇改善に取り組んでいる為、私のような中堅医師にしわ寄せがきている。
だからと言って、仕事に不満がある訳ではない。別に用事のない私は文句も言わずに仕事を引き受ける。その代わり、クリスマスは大河と過ごそうと当直を外してもらっていた。
しかし・・・
「西村先生クリスマスですよ、帰らなくていいんですか?」
黙々とカルテ入力している横で、冗談めかして笑う同僚の男性医師。
「ったく、面倒くさっ」
吐き捨てる私。
当然周囲の空気が凍り、目の前から人が消えていく。