恋はゆるく,深くがモットーでしょ?

私ってチョロい……

何あれ何あれ何あれ……!

頬をおさえて悶える。



「どうしたの? 授業も遅れそうになってたし……」



彼女は私に一番近しい友達。

大山 心優(おおやま みゆ)

それでも私の全部を分かってるわけではないと思う。

恥ずかしくて,自分の感情を理解しながら顔に出すことが,なんだか演技のように感じてしまって。

私が上手く表情を作れないせい。

私は授業前,トイレに行きたいと言う彼女の道具を代わりに運んであげていた。

そしたら,ちんたらしすぎて遅れそうになって,凄くかっこいい男の子にぶつかってしまった。

誰だか知らなかったけど,手伝ってくれて。

優しいなって思ったけど,同時に申し訳なくて……

上手く言えない私はきつい言い方をしてしまい,後悔した。

だけど言い直すことも,後悔を顔に出すことも出来ずに,怒られるかもしれないと思った。

親切をむげにするのは良くない。
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