御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
「えっと、お酒のことだとわかってますから。野島さんはお気になさらず」
「そうだよ。彼の酒癖が悪いだけ。まあ、菫ちゃんはかなり怖がってたみたいだけどな」
航が口を挟んだ。
「ねえ、航君は野島さんと知り合いなの?」
ふたりの顔を見ながら、菫は問いかける。
「ああ。うちの仕事を引き受けてもらってる関係で父さんと野島さん、仲がいいんだよ。姉の結婚式のときにも会場カメラマンをお願いしたし」
「そうだったの……え?」
どおりでふたりは親しげなのだと納得した菫の腕を唐突に掴み、黎は野島に向かってため息を吐いた。
「悪いけど彼を二次会でもどこでも連れて行ってもらえますか?」
菫が腕の中から離れたのが気に入らないのか、黎が多少荒い仕草で菫を引き戻す。
その勢いのまま、菫の身体は再び黎の腕の中に吸いこまれていく。
抱き留められる寸前、とっさに黎の胸に両手を突き見上げると、切なげな黒い瞳が真っすぐ菫を見つめていた。
その後野島は何度も菫に詫び、塩田を引きずるようにしてその場を離れ、航は果凛の家に向かった。
「そうだよ。彼の酒癖が悪いだけ。まあ、菫ちゃんはかなり怖がってたみたいだけどな」
航が口を挟んだ。
「ねえ、航君は野島さんと知り合いなの?」
ふたりの顔を見ながら、菫は問いかける。
「ああ。うちの仕事を引き受けてもらってる関係で父さんと野島さん、仲がいいんだよ。姉の結婚式のときにも会場カメラマンをお願いしたし」
「そうだったの……え?」
どおりでふたりは親しげなのだと納得した菫の腕を唐突に掴み、黎は野島に向かってため息を吐いた。
「悪いけど彼を二次会でもどこでも連れて行ってもらえますか?」
菫が腕の中から離れたのが気に入らないのか、黎が多少荒い仕草で菫を引き戻す。
その勢いのまま、菫の身体は再び黎の腕の中に吸いこまれていく。
抱き留められる寸前、とっさに黎の胸に両手を突き見上げると、切なげな黒い瞳が真っすぐ菫を見つめていた。
その後野島は何度も菫に詫び、塩田を引きずるようにしてその場を離れ、航は果凛の家に向かった。