御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
結婚前の妊娠が黎の立場を危うくし将来への懸念材料にならないだろうか。

『あ、それでハンバーグの件だけど』

ふと思いついたような黎の声に、考えこんでいた菫は我に返りスマホを握り直す。

『キャンセルするのもなんだから果凛と行ってきたらどうだ?』





黎お勧めのハンバーグ専門店は、ヨーロッパ風の趣のある外観が目を引く素敵な造りで、菫は一瞬で目を奪われた。

内装にもこだわりが強く、アンティークに違いない調度品がセンスよく置かれている。

深紅のカーペットが敷かれた一階の奥に菫と果凛は案内され、鉄板の上で音をたてるハンバーグを味わっている。

「黎さんにお礼を言っておいてね」

丸テーブルの向かいに座る果凛はそう言ってハンバーグをおいしそうに頬張った。

果凛は菫の大学からの親友で、色白で長い睫と大きな目が印象的な美人だ。

ストレートのロングヘアをひとつにまとめ、目の前のハンバーグを熱心にあじわっている。

「果凛はここに来たことがあるんだよね」

菫の問いに、果凛は食べる手を止めうなずいた。

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