御曹司の激愛に身を委ねたら、愛し子を授かりました~愛を知らない彼女の婚前懐妊~
ただ軽く触れているだけの指先から伝わる熱に、菫は今にもとろけてしまいそうになる。
黎がどんなキスをするのか知らないのに、まるでキスをされたような錯覚を覚え、そんなことを思う自分が恥ずかしくなる。
菫はこれ以上一緒にいると黎への想いをつい口にしてしまいそうで不安になり、その場で首を横に振って気持ちを切り替えた。
「黎君、私は本当に大丈夫なの。だから――」
「なにを言っても聞いてやれない。今日は絶対に俺の家に連れて帰るから」
黎は菫の言葉を即座に遮り、それ以上はなにも言っても無駄だとばかりに表情を引きしめた。
黎がどんなキスをするのか知らないのに、まるでキスをされたような錯覚を覚え、そんなことを思う自分が恥ずかしくなる。
菫はこれ以上一緒にいると黎への想いをつい口にしてしまいそうで不安になり、その場で首を横に振って気持ちを切り替えた。
「黎君、私は本当に大丈夫なの。だから――」
「なにを言っても聞いてやれない。今日は絶対に俺の家に連れて帰るから」
黎は菫の言葉を即座に遮り、それ以上はなにも言っても無駄だとばかりに表情を引きしめた。