気付いたら有名な婚約破棄のシーンだったので傍観者になってみようと思ったけれど、婚約破棄された悪役令嬢がいい娘すぎたのでちょっとだけ彼女の幸せを願ってみた
そうでした、すっかり忘れていたけれど今は卒業パーティの真っ最中。
裏で何が話し合われているのか、生徒たちは知らない。そして、気にしてはならない。どんな結論が出ようと、それは国王が決めたこと。反論してはならない。
言われた通り、卒業パーティを楽しまなければならない。
「お兄様。こういうときこそ、シエラさんにダンスを申し込むのですよ」
ユカエルがディオンにそっと言う。ディオンはそうか、なんて頷いてシエラにダンスを申し込む。
シエラは驚いていたが、ユカエルの兄とも聞いたからか、またさっきの申し込みがあったからか、少し嬉しそう。そのきつい顔の表情が少しずつ柔らかくなっていくことにユカエルは気づいた。
ちょっと、やっぱりお似合いの二人じゃないの。あんなクソ皇太子よりもお兄様よ、お兄様。とユカエルは満足そうだ。
ユカエルはそっとその場を離れようとする。が、その右手を掴まれた。ジェシカだ。
「なんで、あんたがここにいるのよ。ディオン様の妹って何なのよ。裏ボスの魔女でしょ」
なんと、このジェシカという少女。どうやらこの世界のことを知っているらしい。
「やめろ、ジェシカ。これ以上不敬を重ねるな」
クソ皇太子とその取り巻きが止めに入る。
「ごきげんよう、ジェシカさん。今までのお礼は必ず」
ユカエルは上品に笑んで、その会場を後にした。
裏で何が話し合われているのか、生徒たちは知らない。そして、気にしてはならない。どんな結論が出ようと、それは国王が決めたこと。反論してはならない。
言われた通り、卒業パーティを楽しまなければならない。
「お兄様。こういうときこそ、シエラさんにダンスを申し込むのですよ」
ユカエルがディオンにそっと言う。ディオンはそうか、なんて頷いてシエラにダンスを申し込む。
シエラは驚いていたが、ユカエルの兄とも聞いたからか、またさっきの申し込みがあったからか、少し嬉しそう。そのきつい顔の表情が少しずつ柔らかくなっていくことにユカエルは気づいた。
ちょっと、やっぱりお似合いの二人じゃないの。あんなクソ皇太子よりもお兄様よ、お兄様。とユカエルは満足そうだ。
ユカエルはそっとその場を離れようとする。が、その右手を掴まれた。ジェシカだ。
「なんで、あんたがここにいるのよ。ディオン様の妹って何なのよ。裏ボスの魔女でしょ」
なんと、このジェシカという少女。どうやらこの世界のことを知っているらしい。
「やめろ、ジェシカ。これ以上不敬を重ねるな」
クソ皇太子とその取り巻きが止めに入る。
「ごきげんよう、ジェシカさん。今までのお礼は必ず」
ユカエルは上品に笑んで、その会場を後にした。