気付いたら有名な婚約破棄のシーンだったので傍観者になってみようと思ったけれど、婚約破棄された悪役令嬢がいい娘すぎたのでちょっとだけ彼女の幸せを願ってみた
ユカエルは小さな声で自分の主の名を呟く。ディオンは「しっ」と右手の人差し指を立てた。このお見目麗しいディオン様は、ユカエルの母国トビンセンの皇太子。嫁探しと言う名の留学、ではなく留学と言う名の嫁探し、まぁどちらでもよいのだが、そんな感じで隣国のリアストの王立学校に通っていた。つまり、ユカエルが留学しているのもディオンのお目付け役、兼、嫁候補選定のため。同じ女性目線での選定も必要、という偉い人の一声による。
本来であれば、ディオンもこの卒業パーティには出席できないはずであった。しかし、何かの番狂わせが運命を狂わせ、って、すべてはユカエルのせいであるのだが、こうやって無事に出席できてしまった。
つまり、この婚約破棄イベントの最大のミスは、留学生であるディオンとユカエルが出席してしまった、ということになる。
そして何よりも、このディオン。シエラに横恋慕を抱いていた。横恋慕を抱く原因となったのもユカエルのせい。
毎日の報告のたびに、どれだけシエラが優しくて優しくて優しくて可愛くて、本当に女神みたいな人、というのを聞かせられていたら、嫁探しなんて興味無いね、と言っていたディオンでさえも興味を持つらしい。
本来であれば、ディオンもこの卒業パーティには出席できないはずであった。しかし、何かの番狂わせが運命を狂わせ、って、すべてはユカエルのせいであるのだが、こうやって無事に出席できてしまった。
つまり、この婚約破棄イベントの最大のミスは、留学生であるディオンとユカエルが出席してしまった、ということになる。
そして何よりも、このディオン。シエラに横恋慕を抱いていた。横恋慕を抱く原因となったのもユカエルのせい。
毎日の報告のたびに、どれだけシエラが優しくて優しくて優しくて可愛くて、本当に女神みたいな人、というのを聞かせられていたら、嫁探しなんて興味無いね、と言っていたディオンでさえも興味を持つらしい。