カリスマ美容師は閉ざされた心に愛をそそぐ


 やっぱり日曜日、どこも人でいっぱい。


 これなら家にいた方が良かったかも…、駅前のカフェも満席でちょっとお茶をしたかったけど。


 “仕方ない、帰るかぁぁ…”


 なんて考えていたら。


 急にニコニコした、髪をアップにしたキレイな女性。


 私が右によけても、左によけてもどうして?、この女性に何かしたかなぁ…


 “ちょっと不安”


 『私占い師なの、今なら占いと飲み物無料、だから貴方を占ってあげる!!』


 笑顔で何をいきなり、意味分かんないです?!


 グッと右手を引っ張られ

 「待って下さい?!」

 『待てなーい!』


 歩道の脇の建物の中に、連れられて階段を昇り2階へ。


 6畳ほどの部屋へ案内され、中央には丸いテーブルと椅子、ソファーがあり、椅子に座るように勧められる。


 大きな窓からは暖かい太陽の光。


 真剣に私をジ~と、そう思っていたらまた笑顔。


 “なんなんだろう、いったい”


 どうやってここから出ようか?と考えていたらいつの間にか『お茶どうぞ』


 スッキリとしたローズヒップの香り。キレイな色。


 「ありがとうございます」


 どうぞと進められても、ごめんなさいネコ舌なんです。

 でもフーフーとしながら一口、ほっとする、何でだろう。


 それより占って欲しいことなんて無いのに、どうしようかなぁぁ…


 家に大人しくしていればよかったぁぁぁ…


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